11/6 日本を変えるプランB [本]
関西学院大学の村尾信尚教授が編集した「日本を変えるプランB」を読んだ。村尾先生とは時々お会いして指導をいただくが、「プランB」というのは彼の強い自説である。誤解を恐れずに極めて短く言えば、ものを持つことで豊かさを実感する「to have」の時代から、こころの豊かさを実感すべき「to be」の時代へ移行していく変革期に我々は差しかかっており、そのためには現在のプランAの代替案であるプランBを実行していかなければならないという主張である。ではその「プランB」なるものはいったい何なのかというのが問題なのだが、生産者中心社会から消費者中心社会へ、官から民へ、開発重視から環境重視へなど理念的なものがようやく見えてきた段階で、さてそれをどのように実施するのかという具体論についてはこれからの話になっている。理念としてはおそらく国民の多くが賛同するだろう話なのだが、具体論に落としていく段階で既得権とのフリクションなどが顕在化してくることは目に見えている。それをどう乗り越えていくか、強いリーダーシップの下、きちんとした戦略を持って対応していかなければならないが、価値観が多様化している現在、きっと明治維新時以上のエネルギーと覚悟を要する話である。
コメント 0