7/18 サウダージ [本]
垣根涼介著の「サウダージ」を読んだ。良作「ヒートアイランド」の系統で、帯に「クライム・ノベルの金字塔」と書いてあるとおり、悪い奴らの悪さをとことん描写している。舞台は日本だけなのだが、著者の作品お馴染みのラテンアメリカ的なスパイスもふりかけてあり、彼の著作を読み込んでいる人間としてはある種の安心感を持って読み進めることができる。ストーリーとしては、主要登場人物それぞれにスポットを当てながら、それぞれの主観を描写していくスタイルで、いつもどおりのスピード感がある。惜しむらくは、クライマックスに至るところまでは丁寧過ぎるほどに前振りがあるにもかかわらず、クライマックスがあっさりし過ぎているところ。もう少し最後に余韻が欲しかった。
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