9/16 翳りゆく夏 [本]
江戸川乱歩賞受賞作の「翳りゆく夏」を読んだ。20年前に起きた誘拐事件の容疑者だった自殺した男の娘が新聞社に内定したことが写真週刊誌にスクープされたということで、新聞社が当時の誘拐事件の再調査を始めるというストーリー。新聞社の窓際記者という素人探偵が事件に迫る構成なので、オーソドックスな警察ものに比べて柔らかいイメージ。うまく過去と現在を織り交ぜて話を展開しており、また、なかなか描写が丁寧で好感が持てる。残念ながら?伏線がちょっとくどすぎて途中で犯人が分かってしまったが、今後も期待できる作者だと思う。文庫本であれば十分お買い得な一冊。
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