9/18 集中力 [本]
羽生さんのベストセラー「決断力」の兄弟本?の「集中力」を読んだ。かつての羽生さんの好敵手、谷川さんの著作である。実は羽生さんの「決断力」が出る以前に書かれた本で、ベストセラーの題名をパクったのかと思いきやこちらの方がオリジナルで恐れ入ったという次第。おそらく、相乗効果を発揮して両方が売れているのではないか。本の内容としては、別に集中力に特化しているわけではなく、他に思考力、記憶力、気力にも言及しており、それぞれがバランスよく発揮できるのが理想としている。面白いのは、羽生さんと同様に、将棋を指しているとき、無数にある選択肢の中から直感的によい手である可能性の高い3~5手を瞬時に絞り込めるのだという。そして、その閃きは毎日の精進から得られるものであるとしており、努力なくして結果なしとするのは多くのプロフェッショナルに共通するところである。羽生さんを意識しすぎた焦りを感じさせる記述や、自分の成功体験について繰り返し書いているくどさが若干あるが、読んで損のない良書。
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