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12/16 硫黄島からの手紙 [映画]

覚悟はしていたが、重い映画だった。今やハリウッドスターの一員となった渡辺謙が主演、登場人物のほとんどが日本人、会話もほとんどが日本語というハリウッド映画なのだが、これほど自然に日本人や日本文化を描写しているハリウッド映画は初めてなのではないか。ほんの10年ほど前までは、中国人が日本人のふりをして出演し片言の日本語を喋ったり、日本の家屋に提灯が飾られていたりととんでもない映画ばかりだったが、アメリカを舞台に活躍する俳優やスポーツ選手などが増加してきた影響だろうか、アメリカ人が日本文化に敬意を払い、きちんと理解するようになったことが如実に映画に表れており、これはとてもいいことである。また、映画自体もきわめて公平中立に描写しようとする姿勢が随所に見受けられ、ハリウッド映画にありがちな善悪が分かりやすい構成とはなっておらず、むしろ戦争自体の無意味さ、悲惨さを大きなメッセージとして打ち出している。映画を観た後にまず思ったのが、平和な世の中に生きられて本当に良かったということと、死に毎日直面するような限界状況に追い込まれた場合に自分は果たして人間として毅然とした態度が取れるだろうかということ。自信はない。

なお、映画では、陸軍と海軍の縦割り構造、精神論の蔓延、理不尽な上司、戦略のなさ、兵站軽視などマネジメントの問題も随所に出てくるが、今も昔も官僚組織において発生する問題というのは変わらないのだなと感じた。歴史から学べとは言うが、まったく学べていないのはいったい誰のせいなのだろうか。


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