2/6 最愛 [本]
真保裕一の新刊「最愛」を読んだ。真っ赤な表紙に題名の「最愛」と著者名だけがが黒い明朝体で印刷された印象的なハードカバーである。真保裕一の本はだいたい1年に1冊のペースで出版され、それだけじっくり取材、推敲していることが伺えて好ましいのだが、今回の「最愛」は、ちょっとがっかりな出来。ストーリーとしては、若手小児科医の主人公が、長いこと音信不通だった不遇の人生を送ってきた姉がある事件に巻き込まれて重体であるとの連絡が入るところから始まる。どうして姉が事件に巻き込まれたのか、どうして姉は事件の前日に結婚したのかといった謎について、主人公が姉の人生を辿りながら答えを見つけていく。恋愛小説という位置づけだからだろうか、展開がダラダラとしており、いつもの真保小説のキレもない。ちょっと今回の小説は路線を誤ってしまった感じである。次作は、またハードボイルド系の小説を期待したい。
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