3/22 ヒートアイランド [本]
「君たちに明日はない」が面白かったので、垣根涼介の「ヒートアイランド」を読んだ。渋谷のチーマー軍団と、暴力団と、暴力団が経営するクラブから大金を盗み出したプロの窃盗団がそれぞれの利害にしたがって追いつ追われつするハードボイルド。二者対立の構造の話はよくあるのだが、三者対立の構造になっており、しかもそれぞれの視点からバランスよく、しかもスピード感を保ちつつ話を展開するのはなかなか難しかったのではないか。登場する人物の多くが、最初から悪い(世間的には悪いと判断される)活動を生業としているわけではなく、それぞれの成育環境から仕方なくやっており、実はなかなか純粋な気持ちを抱いているところが読者の共感を呼ぶ。「君たちに明日はない」と同様、夜更かしして一気に読んでしまった。
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