5/15 バイアウト [本]
真山仁「バイアウト」を読んだ。デビュー作「ハゲタカ」の続編に位置づけられる作品で、登場人物の多くも重なっている。題名のとおり、企業買収をテーマとした小説である。「ハゲタカ」を読んだ人にとっては、スッと入り込めると思うが、逆に、「ハゲタカ」を読んでいない人にとっては、経緯がつかめない部分が多いかもしれない。「ハゲタカ」が良質の金融小説だっただけに、それと比べてしまうと金融関係の描写がちょっと粗くなっている印象をぬぐえないが、一方で、登場人物間の人間関係の描写は「ハゲタカ」よりも滑らかになっているという印象。ハードカバー2巻のコストパフォーマンスの観点からは、ちょっと分が悪いか。
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