10/14 役人バッシング

ゴールデンタイムに小倉さんの司会で税金の無駄遣いを糾弾する番組をやっていたので、つい見入ってしまった。テーマとして取り上げていたのが、(1)岐阜県の税金の無駄遣いぶり、(2)外交官の豪華絢爛な生活ぶり、(3)破綻した夕張市の光景、(4)社会保険庁のたるんだ仕事ぶりの4つ。もちろん番組の趣旨からして話半分で見る必要があるが、岐阜県の巨額の予算をつぎ込んで造られた明らかにムダなハコモノや、大使館の書記官が住んでいたという大邸宅などを映像で見せつけられると、さすがに呆れを通り越して感心してしまう。番組内でも言っていたように、ほとんどの公務員は真面目に仕事をやっているのかもしれないが、役所の組織構造とほんの一握りの腐敗した公務員と利権に群がる人たちが税金の使途を間違った方向へ向かわせてしまうのだろうか。

スタジオでは、一方の側に与野党の議員たちが座り、他方に芸能人たちが座っており、芸能人たちが口々に「どうしてこんなにムダな税金の使い方をするんだ」「財政赤字がこれほど深刻化したのはお前らのせいだ」などと議員たちを一方的に批判していた。もちろん議員たちにも責任があるが、芸能人たちがさも自分たちには何の責任もないように被害者面をしているのはおかしい。議員や首長を選んでいるのが自分たちだということに気づいていないのだろうか。それ以前に、いったい彼らのうちどれだけの人が一度でも選挙に行ったことがあるのだろうか。せっかく「税金の無駄遣いをやめるにはどうしたらよいか」というよいテーマ設定ができたはずなのに、犯人捜しに終始し、建設的な議論がまったく為されなかったのは残念である。