10/30 伊藤園のタリーズ子会社化 [ニュース]
あまり大々的には報道されなかったが、先週、伊藤園がタリーズを経営するフードエックス・グローブ社の株式の過半数を総額約65億円で取得し、子会社化した。日本茶の世界で一流ブランドである伊藤園がスペシャリティコーヒーチェーンの一流ブランドを傘下に収めるというのは、同じ飲料関係という点では共通するが、直感的には意外感の方が大きい企業行動である。伊藤園の日本茶を好んで飲むセグメントとタリーズのコーヒーを好んで飲むセグメントというのはおそらくそんなに重ならないという意味でカニバライゼーション(共食い)はほとんどないのだろうが、逆にどのようなシナジーが生まれるのを考えたとき、ちょっと詰まってしまう。考え得るのは、タリーズのメニューにハイエンドの日本茶飲料を新たに加えること、伊藤園が細々と製造しているコーヒー飲料をタリーズブランドにして強化することくらいだが、果たして65億円の価値があるのだろうか。伊藤園もタリーズも最近は業績が頭打ちになっているということなので、何らかの打開策を求めたということなのか。
まあ、スターバックス・ジャパンの親会社がサザビーでありながら、両社が何かシナジーを生んでいるのかというと、そんな雰囲気は全然ないので、このような親子関係はコーヒー業界の伝統なのかもしれない。
フードエックスグローブが「クーツグリーンティ」という日本茶のカフェをアメリカで展開しようとしてることも、今回のことと関係あるのではないかと思いましたが・・。
by たり (2006-11-05 13:29)