11/6 ラストワンマイル [本]
楡周平の「ラストワンマイル」を読んだ。最近、楡さんは高杉良を意識しているのか、ビジネスの世界を舞台にした男たちの熱い闘いを描く小説が多い。「ラストワンマイル」という言葉はマーケティングの世界でよく使われる用語だが、要はB to Cマーケティングにおいて消費者に接続する部分であるサプライチェーンの最下流の部分をどう攻略するのかという話で、コンビニや宅配便がこの部分の帰趨を握っている。本書は、おそらくクロネコヤマトをモデルにしているのだと思われるが、コンビニとの宅配便受付に関する独占契約を郵政公社に奪われ、急成長のインターネット通販ショッピングサイトからも配送手数料のディスカウントを迫られた宅配業者が起死回生の一手として、自分たちの強みを再認識し、新しいビジネスモデルを構築していくストーリーである。ストーリー展開が安直すぎるような気もするが、テンポがよいのでどんどん読み進んでしまう。それなりに面白いが、一連の楡小説の中では中の下程度の位置づけ。ハードカバーとしては若干割高感があるか。
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