11/22 データの罠 [本]
旧自治省出身であり、現在はアカデミズムの人間となっている筆者が各種統計調査の落とし穴について書いた「データの罠~世論はこうしてつくられる」という新書を読んだ。一般的に、新聞などで統計調査の結果により定量的なデータが示されると、それを鵜呑みにしてしまいがちだが、そのような行動のあり方に警鐘を鳴らしている。サンプリングの仕方、質問設定の仕方、回答の解釈の仕方、他のデータとの比較の仕方などにより、調査結果は比較的簡単に誘導できるものであり、すべてを真に受けてはいけないというのが筆者の主張であり、その主張の根拠が分かりやすく書かれている。なお、この本の最後の方には、ページが余ったのか、なぜかあまり統計調査とは関係ない、耐震偽装や粉飾決算などのコンプライアンスの問題や郵政民営化など官業の民営化問題に対する筆者の考え方が示されているが、まあこれはこれでまっとうなご意見。
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