11/21 復党問題 [ニュース]
自民党が復党問題で揺れている。参議院自民党が来年の参議院選挙対策のために執行部に郵政造反議員の復党を求め、執行部がそれを受け入れて穏便に復党させようとしたところ、小泉・武部ラインと小泉チルドレンが騒ぎ始めたという構図。
造反議員側からこの事象を見た場合、議員である以上、無所属での活動には限界があり、どこかの会派に属さないと一人前の政治活動ができないというのが現代の政党政治であるが、一方で、選挙の際に最大にして唯一の争点となった政策マターについて反対を唱えていたにも関わらず、踏み絵を踏まされた上で、安易に賛成を標榜する政党に復党するというのは、政治家の政治信念を簡単に曲げているようにも見え、よく分からない。
自民党側からこの事象を見た場合、たしかに衆議院に比べて参議院では与野党の議員数がなかなか拮抗しており、何人かの与党議員の離反により、昨年のように与党提案の郵政法案が否決されるような事態も起こってしまう。衆議院で大勝した後の選挙ということもあり、来年の選挙に向けた参議院自民党執行部の焦りというのは相当あるのだろう。造反議員を復党させることにより、彼らの集票力を利用して参議院一人区で勝つことができると踏んでいるようだが、果たして有権者はそんなに甘いのだろうか。「単なる数合わせではないか」「この間の衆議院総選挙はいったい何だったのか」などといった話になることによるデメリットの方が大きいように思う。
小泉前総理は、復党させると選挙で負けるとおっしゃっているようだが、彼の動物的直感は正しいと思う。円満にこの問題を解決するには、新たに大きな政治的な論点を作り出して、それに対して一致して行動する人を集めるというフィクションが必要だと思うが、そうすると現在の自民党内の意見が集約できるかどうかという問題が生じ、複雑化するだけのような気もする。さて、復党問題の決着と、来夏の選挙結果やいかに。
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