12/19 マネーロンダリング入門 [本]
最近、色々な出版社が新書を発刊するようになったが、幻冬舎も幻冬舎新書の発刊を始めた。その第一弾のグループに入っているのが本書で、著者である橘玲さんが僕の好きな作家の一人であることに加え、マネックスの松本大さんが「面白そうだから買った」旨メルマガで述べていたのでさっそく買ってみた。「あなたにもできる」というのが帯にあるキャッチフレーズだが、金融素人の人間が読んでみて、たしかに「へぇ、こんなに簡単にできるものなんだ」という印象を持った。
特に新鮮だったのが、世界のドル取引がどのように行われているかというくだり。「コレスポンデント銀行」と「コルレス口座」という概念があるらしいのだが、日本では三菱東京UFJ銀行が代表的なコレスポンデント銀行、アメリカではシティバンクなどが代表的なコレスポンデント銀行らしい。たとえば僕が三井住友銀行でドル預金をした場合、東京の三菱東京UFJ銀行にある三井住友銀行のコルレス口座からシティバンクのコルレス口座に円が振り替えられ、同時に、ニューヨークにあるシティバンクのコルレス口座から三井住友銀行のコルレス口座にドル預金した分のドルが振り替えれる仕組みになっているらしく、すなわち、実態として円紙幣は東京の三菱東京UFJ銀行から動かないし、ドル紙幣もニューヨークのシティバンクから動かないとのこと。したがって、アメリカがマカオにある銀行の北朝鮮のドル預金口座を凍結すると言えば、中国の意向など関係なく、簡単に凍結できてしまうのは、裏にこのようなからくりがあるとのことなのである。いい勉強になった。
コメント 0