12/21 戦略パワー・プロフェッショナル [本]
マッキンゼー出身のコンサルタントである斎藤さんが書いた「戦略パワー・プロフェッショナル」を読んだ。コンサルタント、企業の経営戦略部門の人だけでなく、社会人一般が仕事に臨む上での常識として読んでおいた方がよい内容を分かりやすく記述している。問題解決をするには4つの力、すなわち、
(1)フレーム力
問題となる領域の範囲を的確に切り取る判断力
(2)コンセプト力
新たな価値を生み出すための原点を構想し、展開すべき方向性を示す力
(3)ロジック力
モノゴトの因果律を見抜く推察力と、ストーリーの筋書きを作る創造力
(4)ポジショニング力
相対的に優位な状況を構想し、その位置づけを受け手に認知させる力
が必要だとしており、それぞれの「力」について具体例を用いながら解説している。本書の中で何回か強調されているのは、(1)それぞれの力を養うことは大事なのだが、より大事なのは、それぞれの力を有機的に結合させ柔軟に使える能力を養うこと、そして、(2)これらの力を養うのは問題解決に向けて解決策を実践するためであり、机上の空論を行うためではないということを常に認識すべきということである。解決策を実践するためには、利害関係者にその解決策を売り込むコミュニケーション力が必要だと考えるが、本書ではあえて解決策の提示までをスコープに入れて分析、解説している。コンサルタントが書くこの手の本が最近多いが、その中でも上位に位置づけられるのではないか。
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