12/22 中原の虹 [本]
話題作である浅田次郎の「中原の虹」の第一巻、第二巻を読んだ。名著「蒼穹の昴」、ちょっとずっこけたかなという続編「珍妃の井戸」に続く、清朝末期の中国の混乱を描く長編歴史小説である。今回は、西太后の老化に伴う皇帝の権威の低下、日本をはじめとする諸外国による干渉の激化、華北地域における馬賊の勃興などをそれぞれの立場の視点からバランスよく描写しており、没頭して読んでしまう。ただ、登場人物が重なり、前著からのストーリーの流れがあるため、「蒼穹の昴」などを読了せずにいきなりこの「中原の虹」を読むのはお薦めではない。また、これは自分で失敗したなと思ったのだが、12月末現在でまだ第三巻、第四巻の発売予定が明確になっておらず、「いったいこの後どうなるのだろうか?」と日々悶々とさせられている状態である。4巻を通読して意味のあるものなので、あわてずに、全巻が発売されてから通しで読んだ方がよい。それにしても、いったいいつ発売になるのだろうか。
コメント 0