1/8 ねばちっこい経営 [本]
コンサルタントの遠藤さんのベストセラー「現場力を鍛える」「見える化」に続く三部作の最終作である。今回は、組織改革にはねばちっこい努力が必要ということに焦点を当てており、これまでの著作で焦点が当てられた現場とのコミュニケーション、状況の見える化に加えた改革三点セットということだろう。改革努力を1回こっきりでなく、継続的にやっていくというのは著者も認めるとおり当たり前のことであるものの、実際に継続できている組織はほんの一握りである現状を踏まえ、なぜ継続できないのかということをトヨタ、キャノン、花王などの優良事例を引用しつつ掘り下げて分析している。著者の分析によれば、改革を継続できる組織的な風土とシステムを構築するというマクロ的なアプローチと、ねばちっこい資質を有する人を採用し育てるというミクロ的なアプローチの両方が必要とのことだが、いずれも一朝一夕にできるものではなく、それこそ体制づくりのためのねばっちこさがまず必要だと思う。「現場力を鍛える」ほどのインパクトはなかったものの、色々と考えさせられながら読んだ。自分が属する組織でなぜ改革が進まないのだろうかと問題意識を持っている人にお薦めの本。
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