1/7 腐蝕生保 [本]
正月休みの間、たくさん本を買い込んで読んでいるが、その中の一冊(上下巻で二冊か)が高杉良の「腐蝕生保」。日本生命をモデルとしており、内部者を味方に付けて綿密に取材を行っていることもよく分かる。相互会社であるためにこれまであまりその実態が世間に明らかとされてこなかった生保の経営のひどさを深くえぐっており、この点は評価。ただ、これは高杉良の小説に共通して言えることなのだが、夫が浮気は当然の猛烈サラリーマンで妻が貞淑な専業主婦という古典的な家族像を前提としているところ、そして意図的になのか社内の権力闘争を膨らまして書きすぎているところが薄っぺらく感じてしまい、ちょっと描写に嫌悪感を持ちながら読み進める感じ。せっかくよい取材をしているのにもったいない。また、この小説、エンディングが中途半端なのだが、続編を前提としているからなのだろうか。ちょっと読了後の後味が悪かった。
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