2/5 白夜行 [本]
今クールでドラマ化されている東野圭吾の著作である。だいぶ前に読んだことがあるのだが、ミーハーなので読み返してみた。スタンダードなミステリー小説のように警察側の解決方法に焦点を当てているのではなく、犯人側の鮮やかな犯行の手口と犯人側に起こる不思議な事象に焦点を当てて描写しているところが斬新である。犯人は最初から分かっており、ところが誰もそのしっぽをつかむことができないところが痛快である。しかも、犯罪の手口に囚われすぎることなく、犯人の過去の不幸な体験に端を発している心理描写もバランスよく盛り込まれている。文庫本で800ページ強にわたる大作なのだが、犯人の幼年時代からの成長に合わせてそれぞれのステージにおける犯罪に関するエピソードがテンポよく描写されているため、飽きることなく最後まで一気に読み進めることができる秀作である。ドラマ自体は観ていないのだが、ドラマ化するのは難しそうな作品である。
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