5/29 太平洋の薔薇 [本]
笹本稜平の「太平洋の薔薇」を読んだ。パシフィックローズという老朽船とその船長を主人公とした海洋冒険小説である。主人公が生涯最後の航海で船を民族自決を掲げるテロ組織にシージャックされ、奪還すべく、陸で国際海事機関に勤務する主人公の娘他と協力するというストーリー。結果がハッピーエンドになることは、読み始めるときから分かってはいるのだが、徐々に引き込まれていってしまう文章力のうまさがある。前半の伏線の記述がちょっとくどくて、多少我慢しながら読み進めなければならないところがあるが、後半に入ると、そのくどいと思われたそれぞれの伏線が生きて、地理的にも時間的にも絡み合ってくる点は見事。
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