1/12 使命と魂のリミット [本]
東野圭吾の新刊「使命と魂のリミット」を読んだ。ハズレのない作家であるが、この本も引き込まれてしまい、一気に読んでしまった。医者の倫理観が今回の大きなテーマで、自分の子供を間接的に事故死へ追い込んだ人間が患者となり、死亡するリスクもある困難な心臓手術を行うこととなった場合、医者は自分の使命を全うして患者を救うことができるのか、それとも手術の困難さに紛れて未必の故意にしろ患者を死なせたい誘惑に駆られるのかということを主人公であるインターンの女医が全編を通じて探っていく。導入部分でバラバラだったいくつかの伏線がクライマックスへ向けて一本の線に融合していくのは、本当に鮮やかな描写である。
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