8/3 中国の在北朝鮮外交官 [ニュース]
中国の在北朝鮮大使にアメリカ・スクールの若手が抜擢されたとのこと。この人物、国際的に多くの外交官を輩出してきたタフツ大のフレッチャースクールへの留学歴があり、在米の大使館を経験し、中国外務省でも米国畑を歩んできたバリバリの親米派らしい。こういう人物が在北朝鮮大使に着任するということは、北朝鮮だけでなく、米国や日本などいわゆる6カ国に対して大きなメッセージ性がある。
北朝鮮に対しては「これまでどおりの蜜月というわけにはいきませんよ、米国の意向も踏まえながら付き合いますよ」というメッセージ、米国や日本などに対しては「中国も北朝鮮情勢に憂慮しており、きちんと国際連携をとりつつ対応していきますよ」という実に明快なメッセージである。北朝鮮にとって、中国は最大の友好国なだけに、今回の人事はものすごい脅威に映っているだろう。かといって、何か口実を見つけてペルソナ・ノン・グラータを突きつけるわけにもいかず、詰んだという感じ。
さらに興味深いのは、中国と米国の関係である。今回の人事を米国が友好的なメッセージと解さないわけはなく、さらに米中関係は親密化する方向なのだろうと思うが、そうすると、相対的に日米関係、日中関係は希薄化し、アジアにおける日本のポジションも軽くなる方向なのではないか。日本にとっては、対北朝鮮という観点からは安心材料が増えるわけだが、より広く見渡すと実は長期的な衰退の方向へ向かっているだけなのかも知れない。
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